文章も写真も送らない、端末の中で動くAIと道具
社外秘のメール、名前の入った書類、子どもの写真。貼る前に一瞬ためらうものを、端末の外に出さずに扱える道具を集めました。どこまでできて、どこからは苦手かも書いています。
この特集のアプリ8
原文も訳文もサーバーに送らない翻訳です。社内規則で外部の翻訳サイトに貼れない文章や、海外から届いた個人情報入りの書類の下訳に向きます。言語パックを一度準備すれば、その組み合わせは機内モードでも訳せます。
議事録や長いメールを貼ると、端末の中で要点にまとめます。「要点・ざっくり・見出し案・紹介文ふう」の型を選んで頼む作りなので、チャットに「要約して」と頼むより形が安定します。読むべきかどうかを決める下読み用です。
「この文面、感じ悪くない?」のように、個人名や愚痴が混ざる雑な相談の置き場所です。入力も返事も端末の外に出ず、会話の履歴はブラウザの中にだけ残ります。翻訳にも要約にも当てはまらない仕事の受け皿として使います。
写真をアップロードせず、ブラウザの中で縮小・形式変換します。描き直して書き出す仕組みなので、撮影場所などのEXIF情報も新しいファイルには残りません。AIは使っていないので、iPhoneを含めどのブラウザでも動きます。
SNSには書かないような小さな達成を一行書くと、三段構えで褒め返してくれます。書いた内容は送信も保存もされないので「二度寝したけど起きた」くらいのことも安心して書けます。AIが使えない端末では内蔵の「おまかせ褒め」に自動で切り替わります。
同じ端末内AIを、こちらは辛口の審査員にしたおもちゃです。ボケは端末の外に出ず、残るのは自己ベストの点数だけ。iPhoneでも「おまかせ採点」で最後まで遊べるので、端末内AIがどういう返事をするのか、気軽に試す入口になります。
AIではありませんが、送らない道具の代表です。パスワードはブラウザの中で作られ、作ったものそのものは保存されません。どこかのサーバーで作られたパスワードを使うより、気持ちのうえでも安心です。
URLや文字をその場でQRコードにします。計算も画像の作成もブラウザの中だけで、入力内容を保存する仕組みもありません。途中で別のサーバーを経由しないので、このサイトが止まっても作ったコードは読み取れます。
「端末の中で動く」とはどういうことか
ふつうの翻訳サイトやAIチャットは、貼った文章をネットの向こうのサーバーに送り、そこで処理した結果を返しています。会社によって外部サービスへの貼り付けが禁止されているのはこのためです。
ここで紹介しているAIツールは、そのサーバーの役をあなたの端末が担います。最近のパソコンや Android の Chrome には、小さなAI(Gemini Nano)と翻訳専用・要約専用のAIが組み込まれています。オフライン翻訳・かんたん要約・オフラインAIチャットは、その窓口です。ページ自体はAIを持っておらず、計算も Chrome が端末の中で行うので、文章が外に出る場面がありません。
ぱぱっと画像圧縮はAIを使わず、ブラウザが元から持っている「画像を描く機能」だけで縮小と書き出しをしています。こちらも写真がサーバーに届くことはありません。
選び方
このページに載せたのは、次の2つを満たすものです。
- 入力した中身をサーバーに送らないことを、各ツールの仕組みで確かめられるもの
- 何が端末に残るかが説明できるもの(AIチャットの会話履歴、大喜利の自己ベストなど。どれもブラウザの中だけ)
AIツールは動く環境が限られるので、AIが使えない端末でも遊べるおもちゃ2本と、どのブラウザでも動くAIなしの道具3本を混ぜました。
クラウドのAIと、どう使い分けるか
端末内のツールが向いているとき
- 外に出したくない文章:取引先の名前が入ったメール、社内の議事録、住所の書かれた書類。下訳や下読みの段階はこちらで済ませられます。
- 電波がない場所:モデルや言語パックを準備しておけば、飛行機の中でも翻訳や推敲ができます。出発前に一度開いておくのがコツです。
- 人に見られたくない相談や一言:AIチャットに文面の手直しを頼むときや、ベタ褒めAIに小さな達成を書くときのように、内容そのものが私的なもの。
クラウドのAIのほうが向いているとき
- 長い文章をまとめて扱いたいとき。端末のAIは一度に渡せる量が少なく、長文は分けて貼る必要があります。
- 込み入った質問や、正確さが大事な調べもの。小さなモデルは自信たっぷりに間違えることがあります。
中身が外に出せるものならクラウド、出せないものは端末内、と分けて考えると迷いません。
動く環境と、初回の準備
動くブラウザ
翻訳・要約・AIチャットが動くのは、パソコンの Chrome と対応端末の Android 版 Chrome です。iPhone・iPad では「Chrome」アプリを入れても動きません。iOS のブラウザは中身がすべて Safari と同じ仕組みだからです。開くと画面の上でAIが使えるかどうかを調べ、使えない環境ではそう表示します。
ベタ褒めAIとAI大喜利ジャッジは、AIが使えないときに内蔵の言葉の組み合わせで褒める・採点するモードへ自動で切り替わります。いまAIで動いているかどうかは、入力欄の上のバッジでわかります。
最初の1回だけダウンロードがある
AIのモデルや言語パックは、最初に使うときに Chrome がダウンロードします。AIチャットのモデルは数百MBあるので、Wi-Fi のある場所で。どのツールも、ボタンを押すまでダウンロードは始めません。翻訳は「英語→日本語」のような言語の組み合わせごとに準備が要ります。
気をつけたいこと
小さなAIは間違える
端末に入るAIは、クラウドのAIよりずっと小さなモデルです。翻訳には誤訳が、要約には取りこぼしや原文にない言い過ぎが混じることがあります。翻訳は訳文を ⇄ で訳し戻して意味が変わっていないかを確かめ、要約は数字や決定事項を原文で確かめてください。AIチャットは「1回に1つだけ頼む」「100字以内で、のように形を指定する」と返事が安定します。契約・医療・お金のように間違いが許されないものは、最終的な確認を人に頼んでください。
送らない、と、何も通信しない、は別
送らないのは、あなたが入力した文章や画像です。ページを開くときには、サイトのほかのページと同じく広告などが読み込まれます。詳しくはプライバシーポリシーに書いています。
なお、AIチャットの会話は最近使った順に10件までブラウザの中に残ります。共有のパソコンで使ったあとは 🗑 で消しておくと安心です。
よくある質問
本当に何も送信されないのですか?
ここで紹介しているツールは、入力した文章や画像をサーバーに送りません。ネットワークを使うのは、Chrome がAIのモデルや言語パックを最初にダウンロードするときです。ただしページそのものを開くときには、ほかのページと同じように広告などが読み込まれます。送らないのは「あなたが入れた中身」です。
iPhone の Chrome でAIツールが使えません
iPhone・iPad のブラウザは、「Chrome」アプリも含めて中身が Safari と同じ仕組みで動いているため、Chrome の内蔵AIがありません。翻訳・要約・AIチャットはパソコンの Chrome か、対応端末の Android 版 Chrome でお使いください。ベタ褒めAIとAI大喜利ジャッジはAIなしのモードで遊べます。画像圧縮・パスワード生成・QRコード生成はAIを使わないので、iPhone でも動きます。
ダウンロードはどれくらいかかりますか?
AIチャット用のモデルは数百MBあり、初回は数分かかることがあります。どのツールも、ボタンを押すまで勝手にダウンロードは始めません。初回は Wi-Fi のある場所がおすすめです。準備が済めば、次からはすぐ使えます。
クラウドのAIより賢いですか?
いいえ。端末に入る小さなモデルなので、賢さではクラウドの大きなAIに及びません。もっともらしい間違いを言うこともあります。外に出したくない文章を扱えること、電波がなくても動くことが、このツールの持ち味です。
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